The reason that I have arrived in Thailand⑤ ヴィパッサナー
一応傷心の身となり、突然一人また一人旅となった。
一人となったとたんに、今まで一切会うことの無かった日本人旅行者に2人ばかり会った。
そのうちの一人は、インドのダラムシャラーで過ごしていた時、近くのヨガ教室にて日本人修行者だった。
ネパールの話をすると、彼はいつもポカラに行くという。
そこで次の目的地をポカラにしてみた。
もう一人はポカラへの道すがらにたまたま出会ったもう一人の日本人。
特に長く一緒に居たわけではなかったが、その2人から同じキーワードが出てきた。
その時まで全く知らなかった『ヴィパッサナー』。
流されるままにそれまで過ごしていた自分がいわゆるスピリチュアル系だとは今でも思わないが、ポカラのインターネットカフェで調べたところ1週間後のポカラでのコースへの申し込みが出来てしまった。
時間もあるし、料金もドネーションとのことなので行ってみる事にした。
滞在していたレイクサイドからバスを乗り継いで山奥へ。
どうやって辿り着いたか記憶にないが、山奥の山肌にあり、正面にはアンナプルナを見渡す事ができる場所。そこがヴィパッサナー瞑想の場であった。
英語に全く自信がない事を伝えると、日本語テープを用意してくれて、説教の時間は個別に一人でテープを聞き、あとは朝から晩まで瞑想。
詳しくはおそらく別の人が説明していると思うので、瞑想法については深く触れないが、何も考えず生きていた事が功を奏したと思われるが、10日間の間、日に日に瞑想の感覚を掴んでいく感覚と、人と言葉も交わさず、目も合わせずという貴重な経験と、あとはひたすらアンナプルナを眺めるという体験。
食事もその土地で取れた新鮮な野菜が刺激の無いネパール料理として用意してくれている。
最初は組んでいる脚が痛くなり、それに格闘する毎日であったが、最後の方では、食事を消化するエネルギーを感じる時間がもったいないと、殆ど食事もとらず、寝ている間も瞑想状態を保ち、なんとも云えぬフラットな感覚で終了した。
なんとも清々しく、まったくのふれあいの無かった参加者たちとも物凄い親近感とともに自然と友だちになった。
その中で一人、日本人の女の子が居ることに気付いていた。
瞑想中のアイコンタクトは禁止であったが、その事はちょっとだけコンタクトしていた。期間が終わったら話しかけようと決めていた。
話しかけてビックリ、その子は日本語がヘタクソだった。