ワンシャカさん
2011年4月頃だったかな。仕事が5月入社となり、準備のために1人バンコクのカオサンに辿り着いた。
ナオコとネパールからタイに辿り着いた時に泊まった場所だった。
今はもう無くなっちゃったけど、カオサンのレゲエバー横のションベン横丁と呼んでいるおしっこくさい道を通り抜けたところにあるATGuesthouseに宿を取る。
なぜならば、恐らくバンコク最安値の1泊100Bだったからだ。
本当にお金の底が尽きていたというのもあるけど、その宿は日本人宿でもあった。
入社に当たっての書類の用意とか、情報収集のためでもあった。
そこでの出会いはとてもとても楽しかった。
今では繋がりはあるけど、もう会う事も無いんだろうな・・・。
戦勝記念塔
カオサン名物おじさん。
働くとなればやっぱり宿から通うわけにもいかないので、部屋を借りた。
物凄い炎天下の中、部屋探しに付き合ってくれたのはヒサエちゃんだった。
とっても華奢な女の子なのに、日本では有名なファイターで、ムエタイ修行のためにタイに来ていた。
バンコクに土地勘があるため、いろいろと案内してもらうが、やっとの思いで見つけてくれたのが家賃4000Bのマンション。
あとから聞いたところ、外国人(ファラン)の連れ込み宿的なマンションだったらしい。
ともあれ、トンローのドン付きで、5バーツの小さな赤バスでトンローまで行けるし、何より目の前をセンセーブ運河が流れている。
朝5時頃から20時過ぎぐらいまでやってるような気がした。
毎日この船に乗り、10分ほどで下船。そこから会社まで歩いて15分ぐらい。その道のりに朝ごはん屋台がたくさん。毎日の通勤が楽しくて仕方が無かった。
備え付け鏡台。
この当時の全ての持ち物と言っても過言ではない。
旅中持ち歩いていたパソコンと、カオサンで購入したギター。
新しい生活とともにギターを練習する事にした。
新しい部屋はとても快適だった。
狭いけどシャワーがあり、角部屋で風通しもよく、それでも暑ければクーラーもある。8階で、眺めも最高。
緑をいくつか購入。
入社当時、カオサンから友だちがたくさん来てくれた。
当時の夕食。とにかく野菜が食べたい一心でのメニュー。
センセーブ河沿いに夕方市場が開かれるので、とても便利。
ローカルな食べ物と雰囲気がたまらない。
家財道具として購入したタイ式炊飯器は、蒸し器が付いていて同時に蒸せる。
これは誰かと一緒に食べるメニュー。タイ式でいつも床で食べた。
何人かは居候していたこともあった。
チェンマイからナオコが彼氏とケンカしてやってきたこともあった。
海。沖縄人。
一緒に日帰りでラン島に行って、海に浮かんできた事があった。
顔の皮一枚ベロリと剥けた。アホだった。
このあとナオコと意気投合して、一緒にミャンマーへ旅立って行った。
書置き。
去って行く旅人と、生活を始めた人。
ともあれ、生活はとてもとても楽しかった!(今もだけど♪)
生活と言っても、恥ずかしい話コレが自分の初社会人生活であったので、毎日が初めてのコトばかり。ヘンな話、旅していた時よりも旅をしている気分だった。
会社の人達も、日本に居たら会えないような随分変わった人達で、毎日がたのしい。
誰かの誕生日のために購入。
このお姉さんはまだ働いていたな~。
同期会。
同期総勢10人だったかな。
稀に見る濃いメンバーだったそうだ。
ワンシャカさんは今の私の大事な大事な彼である。
入社時にあまりの素人故にギターの練習に行き詰まり、紹介してもらったギターの先生であった。
ベッドに寝っころがりながらギターって弾けるんだ~。
いっつも言ってるけど、印象は「面倒くさそうなだけど、とってもイイ人」だった。
現に、最初に話しかけた時はとっても面倒くさそうだったけど、翌日には練習曲を動画にして渡してくれた。
運指も丁寧に教えてくれたし、そのころからとっても面倒を見てくれた。
ワンシャカさんの脚。
右足には『大和魂』、左足には『武士道』。
その他にも全身に刺青が入っている。
今の世の中、コレだけ刺青が入っていると、まず日本人は話しかけてこない。
誤解されやすい外見ではあるけれど、ワンシャカさんの事を知っていくと、みんなワンシャカさんを好きになっている。とてもやさしい人だ。
ちなみに外国人によく「nice tattoo」と褒められてる。
しかも、タイ人には刺青はお守りであるので、ワンシャカさんの刺青は日本製で美しく、よく話しかけられている。っていうか、ワンシャカさんはタイ人にもとても好かれる。
ともあれ、ワンシャカさんはであった当時ロッククライミングを始めたばかりであった。
他の仲間と共に通う事になった。
BigCラップラオの壁。
週に2.3回通った。
まさかまたクライミングをするとも思っていなかったし、何しろ体が重い。タイに来てからタイ料理がおいしくて、それでいて暑くて、ゴロゴロしてばかりで、恐らく今より10キロ以上太っていたと思う。
それでもこのころはワンシャカさんと居るのが楽しくて通っていたというのが正直なところだった。
自分から行きたいという気持ちにはまだなれていなかった。そうなるまでに4年程掛かったな~。
っという感じでバンコク生活が始まった。
会社からの景色。
37階からの景色はいつ見ても大好きだった。